1911年生まれのマクルーハンは、20世紀中盤にメディア論を唱え、それまで人類が無自覚的に使ってきたあらゆる「道具」をメディアとして再定義することで全地球規模の「村」、グローバルヴィレッジを構想した。この思想に刺激を受けてグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が発明され、インターネットという全地球規模の「村」が出現した。
マクルーハンの思想に強く影響を受けたアラン・ケイは、自らの夢想した新しい機械を「パーソナル・ダイナミック・メディア」と呼んだ。
この思想は後に、「パーソナルコンピュータ」として知られるようになる。
今日、我々が毎年のようにiPhoneの新製品に一喜一憂するのは、こうしたメディア論の裏付けがあるからに他ならない。
マクルーハンの時代には当然、パーソナルコンピュータなどというものは存在しなかった。
しかし、マクルーハンは、ラジオからテレビへとメディアの中心が変化する時代の中心にいた。
あるメディアが衰退し、別のメディアが台頭してくる現象を分析するためのツールとして、マクルーハンはテトラッドと呼ばれる図を用いた。