アマゾン ウェブ サービス(AWS)ジャパンは5月23日、18分の1スケールの自動走行型レーシングカー「AWS DeepRacer (DeepRacer)」を国内初披露した。併せて、同サービスを活用している大日本印刷(DNP)が自社の取り組みについて説明した。
DeepRacerの自動走行を可能にしているのは、機械学習の一つである「強化学習」。機械が理想的な行動を取った際、高い報酬関数を与えることにより学習させる方法だ。例えば、車の位置がセンターラインから10%の範囲内であれば1.0ポイント、25%の場合は0.5ポイントを与える。センターラインとの位置関係は、付属のカメラで撮影された画像で分かるという。
「AWSは、20年間にわたり機械学習に投資してきた。そして今回、強化学習を全ての開発者に届けたいと思い、このサービスを開発した」とAWSジャパンの技術統括本部レディネス&テックソリューション本部本部長/プリンシパルソリューションアーキテクトを務める瀧澤与一氏は説明した。
AWSは、自動運転のレースリーグ「AWS DeepRacer リーグ」も展開している。コンピューター空間の中にある「バーチャルサーキット」と実機が走る「Summit サーキット」の2つがあり、同社はバーチャルで練習を積んだ上で、実世界のサーキットに挑戦することを推奨している。
瀧澤氏は「実世界ならではのノイズがあるため、最初のうちはバーチャルサーキットのように走らないかもしれない。だが、バーチャルで練習を積み、両世界のギャップを埋めながら練習することによって、上達するはずだ」と話していた。
学習コンテンツは無料で、6つの自己学習パート(各90分間)で構成されている。AWSアカウントを持っていれば、AWSマネージメントコンソールからDeepRacerを選び、開発を始められる。国内での実機発売日は未定だが、6月12~14日に幕張メッセで開催される「AWS Summit Tokyo 2019」で走行を予定している。価格に関しては、米国Amazon.comで予約した場合、399ドルだという …