政府は人工知能(AI)を活用した画像診断などの医療ソフトウエアを使いやすくする。アップデートのたびに必要だった国の薬事承認の審査を2022年度にも撤廃する検討に入った。ソフト更新時の審査に数カ月かかる現行規制は医療のデジタル化の足かせになっていると判断した。海外と比べ厳しい規制を改め、技術革新を後押しする。
AIなどを活用する先進的なソフトは医師が病気を見つけ出す際に使う場合が多い。例えば患者の胸部のX線画像から疾患が疑われる影や病巣などを自動検出したり、大腸内を映した内視鏡の画像から腫瘍かどうかなどを予測したりするものがある。
日本での承認件数はこれまで20件程度で、米国の6分の1以下、韓国の半分以下にとどまる。申請しても審査開始までに2~3カ月待たされることが多く、審査にさらに数カ月以上の時間がかかる。これに更新時の再審査も加わる。
こうしたソフトは更新を繰り返して性能を高めるのが一般的だ。日本はその度に審査しており、非効率との指摘があった。韓国にこうした再審査はない …