三菱UFJ銀行は、来春にも店舗の窓口や現金自動預け払い機(ATM)で、手のひら静脈を使った本人確認を廃止する方針を固めた。本人を認証する次世代の技術として2004年に導入したが、インターネットバンキングの普及で、利用者が減っているためだ。
最近は、スマートフォンの普及や通信環境の改善で、ネットバンキングが浸透している。手のひら認証の登録者は約26万人と、ピークの07年に比べて3分の1程度に減少した。銀行にとっては、静脈の登録や管理といった事務作業や、約6000台のATMに付属する専用装置の維持が負担になっていた。
メガバンク各社は、ATMの統廃合といった合理化を進めている。キャッシュカードの偽造防止対策も技術が高度化しており、「手のひら静脈を使った高度な認証の必要性も薄れた」(幹部)と判断した。